ビジョンAI の最前線へ
ソニーが開発したIMX500は、イメージプロセッサとAI処理機能を1つのチップに統合したCMOSセンサーです。
エッジ側でのAI処理を可能にするための設計技術が集約されており、構成の簡素化と処理効率の向上に貢献します。デバイス製造パートナーが多様な産業ニーズに対応するビジョンAIソリューションを提供できるよう支援します。
従来のビジョンAIと異なり、IMX500はチップ上で画像処理とAI処理を同時に行うことができます。そのため、サーバー側での処理が不要となり、低レイテンシ(遅延の低減)、通信帯域の削減、電力効率の向上といったメリットを実現します。


ワンチップ
ソリューション
IMX500は、単なるイメージセンサーではありません。
高性能なDSP(デジタルシグナルプロセッサ)とオンチップSRAMを搭載しており、サーバーとの往復を必要とせず、高速なエッジAI処理を一つのチップ内で実現します。

最適化された処理と
低消費電力
IMX500は、すべての処理がチップ上で完結します。
新しいAIモデルを展開しても、同じハードウェアを再利用することができるため、用途を切り替えても柔軟に対応可能です。これにより、必要な通信帯域と電力を大幅に削減することができます。

コスト効率に優れた設計
IMX500は、高性能な外部プロセッサやメモリを必要としません。
最適化された設計により、通信帯域と電力消費を抑え、コストパフォーマンスの高いビジョンAIシステムの構築が可能です。

プライバシーへの配慮
IMX500は、画像データそのものがチップ外に出ることはありません。
処理結果のメタデータのみを出力するため、ビジョンAIの活用においてもプライバシー対する配慮が十分なされます。
IMX500主な仕様
仕様項目 | ||
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仕様項目 有効画素数 | 4056(H)×3040(V)、約12.3メガピクセル | |
仕様項目 イメージサイズ | 対角 7.857mm(1/2.3型) | |
仕様項目 フレームレート | フルピクセル | 60fps |
仕様項目 | 4K動画 | (4056×2288)60fps |
仕様項目 | 1080p動画 | 240fps |
仕様項目 フレームレート | フル/動画+AI処理時 | 30fps |
仕様項目 | メタデータ出力 | 30fps |
仕様項目 主な機能 | AI処理機能、ISP、HDR撮影 | |
仕様項目 入力テンソルサイズ | 最小 | 64(H)×48(V) |
仕様項目 | 最大 | 640(H)×480(V) |
仕様項目 入力データ形式 | int8 または uint8 | |
仕様項目 対応機械学習フレームワーク | TensorFlow Lite | |
仕様項目 メモリサイズ | ファームウェア、ネットワーク重みファイル、ワーキングメモリとして約8,388,480バイト | |
仕様項目 出力インターフェース | MIPI D-PHY 1.2(4レーン)/ SPI | |
仕様項目 単位画素サイズ | 1.55μm(H) × 1.55μm(V) | |
仕様項目 感度(F5.6 標準値) | 約250LSB | |
仕様項目 センサー飽和信号レベル(最小値) | 約9610e⁻ | |
仕様項目 電源 | アナログ | 2.7V |
仕様項目 | デジタル | 0.84V |
仕様項目 | インターフェース電圧 | 1.8V |
仕様項目 カラーフィルターアレイ | ベイヤー配列 | |
仕様項目 出力フォーマット | 画像(ベイヤーRAW)、ISP出力(YUV/RGB)、ROI、メタデータ |

「IMX500インテリジェントビジョンセンサーは、AI処理における大きなブレークスルーを実現しました。
CMOSイメージセンサーの性能に加え、追加の演算装置を必要とせずにAIを処理できる機能を兼ね備えています。これにより、カメラメーカーは部品点数を抑えつつ消費電力も削減し、高フレームレートでAIモデルを実行できるスマートカメラを提供することが可能になります。」
柳沢英太
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
システムソリューション事業部長

IMX500搭載エッジデバイスで、ビジョンAIをもっとシンプルに
IMX500のコンパクトな設計により、エッジAIの開発から導入まで、あらゆる工程がより簡単かつスムーズになります。AITRIOS上で動作する、IMX500搭載のインテリジェントビジョンセンサーを備えたエッジデバイスは、ビジョンAIの可能性を大きく広げます。